【【無料】幼い頃に婚約した少年が、結婚式を目前に控えた花嫁の前に吸血鬼になって戻ってきた話】精神凌●
令嬢の窓辺に夜毎訪れては、首筋に口付けて虜にし、明るい日常の世界から昏い夜の世界へと永遠に連れ去ってしまう……。
そんな伝統的な吸血鬼の物語。
「フラン、約束だよ。ぼくたち、いつか結婚しようね?」
幼馴染の少年、クーガーは、二人で登った岡の上でそう言って微笑みながら、フランシスにきれいな花を差し出した。
「うん。もちろんよ、クーガー!」
フランシスは満面の笑みを浮かべて、彼の差し出した花を受け取った。
それはまだ幼い日の稚い約束、過ぎ去った昔の美しい夢に過ぎないはずだった。
なのに、遠い昔に失踪したその少年は、十年以上も経ったある夜に、他の男との結婚を目前に控えたフランシスの寝室を訪れた。
当時のままの姿で。
「君を迎えに来たんだ。約束だよ、結婚しよう?」
「君はぼくと婚約したくせに、他の男の奧さんになろうって言うんだものね。もう、どうしようもなくだめな子だよ」
「ひっ……」
その目に、赤い輝きが煌々と燃えているのを見て、フランシスの心は恐怖に震えあがった。
「教えて」
クーガーは、フランシスの脚の狭間に手を当てた。
「君はその男に、もうここを許したの?」
おそろしい、答えたくない。
なのに、口は勝手に開いて、正直に話してしまう。
「……許し……ました……」
涙が溢れ出す。
「そう。じゃあ、そこも清めてあげないとね」
クーガーは再び微笑んだ。
「立って。服をぜんぶ脱ぐんだ」
過去の回想から、初めての夜の訪れまで。
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