【【無料】幼い頃に婚約した少年が、結婚式を目前に控えた花嫁の前に吸血鬼になって戻ってきた話2】精神凌●
令嬢の窓辺に夜毎訪れては、首筋に口付けて虜にし、明るい日常の世界から昏い夜の世界へと永遠に連れ去ってしまう……。
そんな伝統的な吸血鬼の物語。
『フラン。君はぼくが、君のことを愛しているんだって知っているだろう。なのに、そんな聖印の影に隠れる必要があると、本気で思っているのかい?』
クーガーがにっこりと微笑みかけると、フランシスの頭の中から、疑念と緊張はすべて消え去ってしまった。
『さあ、そんなものは机の中にしまって。この窓を、早く開けよう?』
「ええ、わかったわ」
フランシスはにっこりと微笑み返すと、言われるままに十字架を机の中に戻し、鍵を外して窓を開いた。
クーガーは、するりと部屋に滑り込んでくると、元通りに窓を締め直した。
「バカな子だねえ、フラン」
くすくすと笑ってそう言いながら、昨夜自分が牙を突き立てた彼女の首筋のあたりを、そっと指を伸ばしてなぞる。
「あ、あ……っ!」
フランシスは途端に目を見開くと、腰が砕けたかのように、床にぺたりと座り込んだ。
そこにはもう傷は残っていないはずなのに、触れられた首筋が熱をもってずきずきと疼き、全身が熱くなる。
二日目の日中から、第二夜まで。
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